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乗り物酔いにまさかのラムネ!?

  • 2022年10月28日

ひばりグループのホームページをご覧いただきありがとうございます。

幼少期の記憶は、良い意味でも悪い意味でもショッキングなことが多くありませんか?
今回は、イイ思い出が、大人になってからも好影響な出来事についてです。

共働きだった私の保育園への送迎は、もっぱら祖母の役目でした。親子遠足の同伴も祖母で、お婆ちゃん子でした。
ある時から遠足のバスの車酔いが怖くなってしまっていました。自宅から祖母の家までのクルマは大丈夫でした。そんな私に、「苦くないから大丈夫だよ」と酔止めを勧める祖母の言葉に、「きっとニガいに決まってる」と、薬嫌いのわたしは頑なに拒否したのを覚えています。すると「ほら、おばあちゃんもバス乗るから」と祖母が飲み、「ラムネみたいだよ」の言葉に騙され(?)私も飲みました。おかげで、「バス平気だったから、ずっと楽しかったね」と言う祖母と、遠足を楽しむことができました。乗り物酔いでは、せっかくの遠足も台無しです。

後日(何日後か、何ヶ月後不明)、「あの時の酔止めはホントはラムネだったんだよ」にショックを受けました。騙されたようですが、具合が悪くならずラムネは効いたので、酔い止めに間違いありませんでした。

この現象を医学では、プラセボ(プラシーボ)効果と呼びます。
プラセボは、本物の薬と見分けがつかないが、有効成分が入っておらず臨床試験に用いられます。薬としての効き目のない糖やでんぷんなどを錠剤やカプセル剤などにし、薬にみせたものです。正確なデータを取るために、「外見」「重さ」「味覚」など、見た目だけでは本当の薬と区別がつかないように作られます。臨床試験は、受ける方々をはじめ、医師、薬剤師、看護師などにも、“誰が成分を含む薬を服用しているか、誰がプラゼボを服用しているか”、わからないように実施されます。

ところで、

なぜ乗り物酔いは起きるのか?

[感覚混乱説]が最有力です。
乗り物による、揺れやスピード、方位や傾斜は、身体の各器官、主に、耳、目、筋肉や関節で刺激として感じ脳で処理しています。

空間や平衡感覚に関連する感覚や知覚などからの情報にバグが生じた場合に起きると考えています。耳の奥の内耳には、回転を感じる三半規管と傾きや加速を感じる耳石器という器官があり、身体の平衡や姿勢を保つセンサーの役割をしています。体操選手や高飛び込みの選手、レーサーなどは、その器官を鍛えるトレーニングもあるそうです。こういったアスリートは、環境状況を瞬時に脳で処理し次の動作に対応しているといいます。
脳での処理がバグる状況とは、経験値や想定値と異なる情報や大きい刺激が伝達されて起こる一種の混乱状態です。脳はそれを“不快”と感じ、自律神経は乱れ、ヒスタミンが分泌されます。このヒスタミンの作用で症状が現れます。
※ヒスタミンはどこにでも出てきますね。

乗り物酔いの主な症状

・嘔吐をともなう吐き気、むかつき
・めまい
・顔面蒼白
・あくび
・頭痛や動悸
これらを抑える成分が含有されているのが酔い止め役になります。

市販薬では、「センパア」「アネロン」が有名です。

主成分に含まれる作用はこちらです。
・抗ヒスタミン作用:嘔吐中枢への刺激と内耳前庭での自律神経反射を抑制します。

・副交感神経遮断作用:脳に働きかけ、副交感神経の興奮を抑制します。

・神経機能正常保持作用:ビタミンB6のより、神経機能を正常に保ちます。

・中枢神経興奮作用:平衡感覚の乱れによるめまいを軽減し、頭痛を和らげます。

・胃粘膜局所麻酔作用:胃粘膜へ作用し、麻酔効果で、吐き気(嘔吐)やむかつきを抑えます。

私は偶然プラセボが効きましたが、乗り物酔いには、ちゃんとした「動揺病」とう医学名があり、代表的な処方薬はこちら。
・トラベルミン
・ヒベルナ
・ピレチア


医師の診断が安心という方は耳鼻咽喉科を受診して下さい。
“安心”も乗り物酔いには、とても有効な成分です。

コロナ禍の規制が緩和され移動が増えます、また行楽シーズンでもあります。
移動中スマホの見すぎで酔う方もいらっしゃいます。遠出の予定がある方は、前日の暴飲暴食は控え、体調を整え、寝不足を避け、道中楽しんでお出かけ下さい。
友人に、運転免許をとったら車酔いしなくなった者がいるのですが、スノーボードに行くときは、率先して運転してくれるので助かっています。



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