牛乳で骨は丈夫になる?
- 2023年04月07日
こんにちは薬剤師のTです、ひばりグループのホームページをご覧いただきありがとうございます。
新生活のシーズンですね、皆様の周りでは、生活環境の変化などはありませんか?
お変わり無い方も、環境が変わられたた方も、年度切り替えの良いタイミングなので少しずつ生活に良い習慣を取り入れてみてはいかがでしょう?
今回は、牛乳について。
骨を丈夫にするものといえば牛乳が思い浮かべる方が多いと思います。
果たしてこれは正しいでしょうか?▶答えはNoです。
成長期のお子さんは、幼稚園や小中学校でも、牛乳を十分に飲むように指導されています。
そのカギになるのが「カルシウム」です。
牛乳200gにはカルシウム200mg含まれていて、私も中学生の時には1リットル飲んでいたこともありました。
ところが牛乳は骨を丈夫にするという観点では世間で言われているほど優れた物ではなく健康増進のために積極的に摂るものではありません。
理由は2点あります。
牛乳そのものだけでは、カルシウムとマグネシウムのバランスが悪いのです。
カルシウム自体が吸収率の良い栄養素ではなく、他の栄養素との相互作用で良くも悪くも働きます。ビタミンDやマグネシウムはカルシウムの吸収を促進させてくれますが、リンは逆に阻害します。
牛乳にはマグネシウムがほとんど含まれておりません。カルシウムが摂取できても体内に吸収されないと意味がないのです。
- 血液中のカルシウムが不足しないように体は骨からカルシウムを溶かしてカルシウム濃度を一定に保つ
- マグネシウムが不足するとその均衡を保つために骨から栄養分が血液中に溶け出してしまう。その現象を「脱灰」といいます。
その脱灰が起こると骨密度が低下するため、骨を強化する目的で牛乳を摂取したつもりがかえって脆くしてしまうことになります。
カルシウムとマグネシウムには黄金比率は2:1くらいの割合で摂るのが理想といわれています。そのためこれに見合った食べ物を摂ることが骨の健康を維持することにつながります。
完全に2:1に近い割合をもつ食品に大豆、小魚、ひじき、アーモンド、小松菜などがあります。(牛乳は10:1くらいです)
日本人には、乳糖不耐が多いと言われています。牛乳を飲むとおなかにガスがたまる、ゴロゴロする、下痢をするなどの不快症状が現れることを、「乳糖不耐」といいます。
牛乳には乳糖(別名ラクトース)という成分が含まれますが、これを分解するためにはラクターゼという酵素が必要になりますが、乳糖不耐の方はこれが欠損しています。
学校給食では毎日牛乳が出てきますが飲むとお腹を壊す子供も周りに一定数いなかったでしょうか?
赤ちゃんは母乳から必要な栄養素を吸収するために母乳の成分である乳糖を分解する酵素ラクターゼを作ることができるが、これは成長とともに(5歳も過ぎれば)ほとんど作られなくなります。
ところがヨーグルトで有名なブルガリアなどのヨーロッパ地域の人は体質も異なるため成人になってもラクターゼの合成が盛んです。それに対してアジア系の人種は衰えてしまうため、日本人のDNAには合わない食材ではないかというのが私の見解です。
ただ牛乳を好きな方もいらっしゃるし、料理でも使うことがあるので全く摂ってはいけないというお話ではないです。
骨粗鬆症の方には大豆・青物の摂取と共に日光浴(ビタミンD合成に役立つ)を勧めてあげましょう!!
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