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この食材がお助け:下痢

  • 2023年05月09日

ひばりグループのホームページをご覧いただきありがとうございます。

シリーズで、健康面を食材の視点から取り上げています。今回は【下痢】です。

お腹が弱い、すぐ下す、牛乳が苦手など、ほとんどの方は一度は経験されているのでは?

下痢とは

便の中の水分が過剰になった状態です。 下痢が続くと脱水や栄養障害が起きたり、肛門の周りに痛みや炎症が起きたりして、心身ともに負担がかかります。 軽いものは軟便、ひどくなると水様便といわれます。
ときに命に関わる危険な状態になるケースもあり、速やかに対処することが大切です。

  • 分泌系下痢
    細菌やウイルスによる感染性腸炎など食あたりなどで細菌に感染したときや、食物アレルギー、薬(解熱鎮痛薬など)の影響で腸粘膜に炎症や障害を起こしたときは、腸管内で分泌液が過剰となり下痢を起こします。
  • 運動亢進性
    ストレスや暴飲暴食、冷えなどによって自律神経のバランスが崩れ、腸の動きが過剰に亢進すると、便の通過スピードが速くなって水分の吸収が不十分になり下痢を起こします。腹痛を伴うことが多いのが特徴です。
  • 浸透圧性下痢
    腸から吸収されない浸透圧の高い食物や薬剤が原因で浸透圧が上昇し、水分と電解質のバランスが崩れ、引き起こされる下痢です。スポーツドリンクの飲み過ぎやダイエットサプリや砂糖の代替甘味料(マンニトール、ソルビトール、ヘキシトールなど)に起因するケースが多いです。

下痢が急激に起こると、水分と塩分が体外に排泄されてしまい、からだのバランスを崩します。
比較的短期でも、炎症や出血が強いとたんぱく質が不足しますが、長期にわたると栄養不足になってやせてきます。
下痢を継続する時期で分けると、一般に4週間以内の下痢を「急性下痢」、それ以上続く下痢は「慢性下痢」と呼ばれています。慢性下痢にはストレスからくる神経性のものや、全身的な病気の一症状、または薬物の副作用による腸内の炎症など、さまざまな原因が考えられます。

症状があるときの食事
短い期間で改善しそうであれば、栄養補給にとらわれず、水分や塩分の補給をしてください。
トイレへ行く回数が減り腹痛なども治まってしてきたら、おかゆやうどんなど消化のよい炭水化物(でんぷん質系がおすすめ)の食品を摂ってください。

●控えたほうがよい食材
■不溶性食物繊維
消化が悪く、腸管を刺激するので下痢を助長してしまいます。
海草、きのこ、こんにゃく、野菜、豆類、果実、甲殻類など

■刺激のある食材
香辛料、コーヒー、アルコール飲料、炭酸飲料、にんにく、玉葱など

■腸管で発酵する食材
バナナ、豆類、イモ、かぼちゃなど

下痢止めと整腸剤の違い

下痢の種類によって薬を使い分ける必要があります。
下痢止め剤には、腸管の運動を抑制する成分、荒れた粘膜を保護する成分、下痢の原因物質を吸着する成分、腸内の細菌を殺菌する成分などが含まれているので、下痢の原因によって成分を選ぶ必要があります。食中毒の治療で菌を排出しなければならないときには、腸管運動抑制成分の入った下痢止め剤は使わないようにします。
整腸剤には腸内の悪玉菌を抑えて善玉菌を助ける整腸生菌成分が配合されているので、調子を整えたいときに服用します。

  • 分泌系下痢
    特に食中毒の場合は、腸管運動抑制成分の入った薬で下痢を止めてしまうと、原因菌を体内に留めてしまうので、使ってはいけません。殺菌成分や吸着成分と整腸剤を組み合わせて使います。
  • 運動亢進性
    腸管運動抑制成分を第一に、整腸剤などを組み合わせて使います。
  • 浸透圧性下痢
    まずは原因となっているサプリメントや食品をやめて、整腸剤を使って調子を整えるようにします。
慢性的な下痢

●過敏性腸症候群(IBS)
精神的ストレスなどに起因し、3ヶ月以上にわたり月3日以上、腹痛や腹部の不快感を引き起こします。
便の状態は、下痢型、便秘型、下痢と便秘が交互に起こる下痢便秘型に分類されます。

●潰瘍性大腸炎
大腸粘膜に慢性的な炎症が起き、潰瘍ができます。
長時間の腹痛や下痢が続き、血液や粘液が混じった便が出ることもあります。

●大腸ポリープ
腸内にできるイボ状の腫瘍です。下痢や便秘、血便などの症状が診られ、放置すると大腸がんに進行する可能性があり、とても注意が必要です。

 

炎症性腸疾患は、英語ではInflammatory Bowel Diseaseと呼ばれ、頭文字からIBD(アイビーディー)と略されます。 IBDは、広い意味では腸に炎症を起こす全ての病気を指し、狭い意味では「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」を指します。IBDは下痢や腹痛が主な症状であるため、トイレの回数の急増や、食事の制限など患者さんの生活にさまざまな影響があります。ひばり薬局全店ではIBD患者の方に遠慮なくトイレを利用できるように協力店となりました。



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