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意外と知らない脱水症にオススメの飲み物

  • 2024年07月31日
先日も38.9℃という、過去3番目に気温が高い猛暑日を迎えた静岡。今年の夏はキケンな日が続いています。そんな猛暑が続く日は特に、熱中症対策として水分補給を心掛ける必要があります。
今考えると、恐ろしいことですが、はるか昔は、「水分補給なんて言語同断‼合で乗り切れぇッ!!!」という理論がスポーツの場でも横行していました。しかし、熱中症という概念が広まってからは、水分補給が推進されるようになりました。そのため、現在は、こまめな水分補給が推進されています。ただし、意外と見落とされていることですが、症状に適した正しい水分補給をしないと、逆効果になってしまう可能性もあるので、注意が必要です。

熱中症になる前の●●の段階での対処が重要


熱中症になるまでに、カラダの中で以下のようなことが起こっています。

気温が上昇
 ↓
気温に連動して体温も上昇
 ↓
体温を下げるために、発汗
(汗の気化熱を利用して体温上昇を防ぐ)
 ↓
汗に使うことのできる体内の水分が枯渇
 ↓
発汗量の大幅な減少(=脱水症 )
 ↓
発汗のよる体温調整機能の停止
 ↓
体内に熱がこもる(=熱中症 )
つまり、「脱水症」の先に「熱中症」があります。
そのため、まず、脱水症になってしまっているのかどうかを見極める必要があります。

脱水症かどうかを見分ける5つのポイント

脱水症になっているかどうかを簡単に見分ける方法が5つあります。

 

□ 手が冷たい 脱水症になると、末端組織の血流量が低下し、手足が冷たくなる
□ 舌が乾いている 脱水症になると、唾液の量が減少する
□ 手の甲の皮膚をつまんで3秒以上元に戻らない
脱水症になると、皮膚の水分量が減り、弾力性もなくなる
□ 親指の爪の先を押した後、赤みが戻るのに3秒以上かかる
指先は血管が細いので、変化が出やすい
□ 脇の下が乾いている
脱水症になると、脇から汗が出なくなり乾燥する
※出典:大塚製薬
これらの症状が見られる場合、脱水症になっている可能性があるので、すぐに以下の対策をしましょう。
1. 体温の上昇を防ぐ
 (エアコンの効いた屋内に避難、首元・わきの下を冷やす、など)
2. 水分を補給する

脱水症にオススメの飲み物

実は、脱水症になったら、とにかく水分と塩分を摂ればいいというわけではなく、脱水のタイプによって、摂るべきものが違います

1. 水欠乏性脱水

文字通り、「水」が不足して起こる脱水です。部屋の中にいるときの自然な発汗や軽い運動など、体内の水分が失われることで起きます。
症状としては、のどの渇き、体温上昇、尿量の減少などがありますが、夏の暑い日にのどが渇くことは普通なので、脱水症になっていることが見落とされやすいタイプの脱水症になります。テレビ番組でもよく、「自覚症状がなくても脱水症・熱中症の可能性があります」と注意喚起されることがありますが、これは「水欠乏性脱水」のことが言われています。

 

「水欠乏性脱水」のときにオススメの飲み物
 No.1:水
 No.2:食塩濃度0.1~0.2%の自家製経口補水液
 No.3:市販の清涼飲料水(ポカリスエットなど)
※食塩濃度0.1~0.2%の自家製経口補水液:1Lの水に1~2gの食塩を入れる

 

水欠乏性脱水のときは、ナトリウムやカリウムなどが多過ぎない飲み物の方がオススメです。
市販の熱中症対策飲料には、基本的に、ナトリウムやカリウムなどが豊富に含まれています。しかし、このナトリウムやカリウムなどには、水を引っ張る磁石のような性質があるため、体内の水分が不足した状態(水欠乏性脱水)のときに過剰に摂取すると、逆効果になってしまう可能性があります。極端な例でいうと、海水を飲み続けたら、逆に脱水症になってしまうのと同じ原理です。
そのため、水欠乏性脱水のときは、基本的に「水」で大丈夫です。ただ、水の吸収効率を高めたいという場合は、少量の塩分や糖分が入っている飲料でも大丈夫ですが、特に糖分が含まれている飲料を常用すると、ペットボトル症候群などになるリスクも高くなるので、注意が必要です。

2.ナトリウム欠乏性脱水

文字通り、「ナトリウム」が不足して起こる脱水です。高温下での作業や激しい運動による大量発汗、下痢、嘔吐などで、体内のナトリウムが失われることで起きます。症状としては、めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、起立性低血圧などがあります。逆に、のどの渇き、尿量の減少などが見られないケースが多いです。

 

「ナトリウム欠乏性脱水」のときにオススメの飲み物
 No.1:市販の経口補水液(OS-1など)
 No.2:市販の清涼飲料水(ポカリスエットなど)
 No.3:食塩濃度0.1~0.2%の自家製経口補水液

 

ナトリウム欠乏性脱水のときは、ナトリウムがある程度含まれる飲み物の方がオススメです。さらに、少量の糖分が含まれた飲料の方が水の吸収効率も高くなるので、症状があるときの水分補給としては、市販の清涼飲料水もオススメです。

オススメの飲み物まとめ

のどの渇き、体温上昇、尿量の減少があるときのオススメは・・・
No.1:水
No.2:食塩濃度0.1~0.2%の自家製経口補水液※
No.3:市販の清涼飲料水(ポカリスエットなど)

 
 

めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、起立性低血圧があるときのオススメは・・・
No.1 市販の経口補水液(OS-1など)
No.2 市販の清涼飲料水(ポカリスエットなど)
No.3 食塩濃度0.1~0.2%の自家製経口補水液


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