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台風に学ぶ健康への影響と備え

  • 2024年09月11日

20248月に発生した台風10号は、日本各地に大きな被害をもたらしました。大雨や強風による洪水や土砂崩れ、建物の損壊といった物的な被害に加え、多くの人々の生活や健康にも深刻な影響を与えました。特に、気圧の急変や湿度の上昇、停電や断水など生活環境の急変は、体調不良や精神的ストレスの原因となります。加えて、災害時に薬や医療アクセスが途絶えることもあり、事前の備えが命を守るために欠かせません。
ここでは、台風による健康への影響と、災害時の薬の備蓄や対応について4つの視点から見ていきます。

気圧と湿度の変化による体調不良

台風が接近すると、急激な気圧の変化とともに湿度が上昇します。これらの変化は、特に敏感な人々にとって体調不良を引き起こす大きな要因となります。気圧の低下は、頭痛や関節痛、めまいなどの症状を引き起こすことがあり、自律神経が乱れやすくなるため、疲労感や眠気、体のだるさを感じることもあります。さらに、湿度の上昇によって呼吸がしにくくなり、喘息やアレルギーを悪化させることもあります。

対策▼

日常生活から自律神経を整える習慣を持つことが大切です。例えば、規則正しい生活リズムを維持し、深呼吸や軽いストレッチを行うことで、体をリラックスさせることができます。また、適切な湿度管理も重要です。台風時に室内の湿度が高くなることが多いため、除湿機やエアコンを使って快適な湿度を保ちましょう。特に呼吸器系に問題がある方は、空気清浄機や湿度計を活用して、体に優しい環境を整えることが効果的です。

台風時の精神的ストレスと対策

台風や自然災害は、多くの人々に精神的なストレスを引き起こします。特に、大規模な災害や過去に災害を経験した人々にとっては、強い不安感や恐怖感が再燃することがあります。これにより、睡眠不足、食欲不振、頭痛、倦怠感など、心身にわたる影響が現れることがあります。また、災害時には、停電や断水、交通機関の麻痺など、日常生活が一時的に大きく制限されるため、さらにストレスが増加する可能性があります。

対策▼

災害時のストレスを軽減するためには、事前の準備が重要です。災害に備え、非常食や飲料水、バッテリー、照明器具、医薬品などの必要物資を準備しておくことで、不安を軽減することができます。また、家族や友人と避難計画を話し合い、万が一の際にどのように行動するかを共有しておくことで、精神的な安定感を得ることができます。
さらに、ストレス管理の方法を日常的に取り入れておくことも効果的です。深呼吸、リラクゼーション音楽、読書、または趣味に没頭する時間を作ることで、心の安定を図ることができます。台風時には最新の天気情報を確認し、冷静に行動することが大切です。災害時に不安が強まった場合、家族や友人と連絡を取り合うことも、ストレスを軽減する助けになります。

災害時に備える薬の備蓄と対応

災害時には、薬局や病院が閉鎖される可能性があり、定期的に薬を服用している人や持病を持つ人にとって、薬の確保が困難になることがあります。そのため、災害に備えて、必要な薬を常備しておくことが重要です。特に慢性疾患を持つ人々にとっては、薬の不足が命に関わる問題となり得ます。

対策▼

まず、日常的に服用している薬は、概ね1週間分を常備することが推奨されます。また、薬の種類や用法用量が記載されたお薬手帳を常に持ち歩くことが大切です。

薬の備蓄において特に注意が必要なのは、冷蔵保存が必要な薬(インスリンなど)です。台風などによる停電が発生した場合、冷蔵庫が使用できなくなるため、保冷剤や保冷バッグを備えておくことが重要です。また、救急用に市販薬も常備しておくと安心です。鎮痛剤、解熱剤、胃腸薬、アレルギー薬、消毒液、絆創膏などの基本的な救急薬を準備しておくことで、軽い症状に対処できます。

健康維持のための日常的な備えと生活環境の整備

災害時には健康を保つための基本的なライフラインが断たれることが多く、日常生活のリズムが崩れることが、健康に大きな影響を与えます。停電や断水により、冷暖房の使用ができなくなったり、調理や水分補給が制限されたりすることで、体調を崩すリスクが高まります。

対策▼

日常的に健康を維持するための備えとして、災害時にも活用できる設備や物資を準備しておくことが大切です。まず、水分補給が途絶えないよう、飲料水を十分に備蓄しておくことが重要です。特に高齢者や子ども、持病を持つ人は、脱水症状になりやすいため、災害時にはこまめな水分補給を心がける必要があります。
また、食料の備蓄も重要です。カロリーが高く、調理せずに食べられる非常食や栄養補助食品を準備しておくことで、災害時でも必要な栄養素を確保できます。保存食の選択には、塩分や糖分が少なく、バランスの取れた食材を意識することが、健康維持に役立ちます。
さらに、災害時に備えて自宅の環境を整えておくことも重要です。台風による停電が予想される場合、発電機やポータブルバッテリーを用意しておくことで、冷暖房や照明を確保でき、快適な生活環境を維持することができます。特に、夏場や冬場の気温が極端になる時期には、健康を守るために適切な温度管理が必要です。

まとめ

台風が健康に与える影響は、気圧や湿度の変化による体調不良、精神的なストレスなど様々です。災害時は薬がなかなか手元に届かないことが予想されます。しかし、事前に適切な備えを行うことで、これらのリスクを最小限に抑えることが可能です。気圧の変動に対する対策としての生活習慣の整備、精神的ストレスの軽減のための準備、そして、薬や救急用品の備蓄は、災害時に健康を維持するための重要な柱です。また、日常的に家族や周囲とのコミュニケーションをとり、災害時の行動計画を確認しておくことで、安心感を持って災害に対応できるでしょう。最も重要なことは、台風のリスクを軽視せず、普段からの準備を徹底することです。そうすることで、心身ともに健康を保ちながら、台風シーズンを乗り越えることができるでしょう。



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