夏に猛威をふるう水虫の話 - ひばりグループ

INFORMATION

夏に猛威をふるう水虫の話

  • 2025年09月05日

気候がまだ真夏

出来ることなら罹りたくないかゆーい水虫。カビの一種である白癬菌が皮膚の角質層に寄生することによって起こる皮膚の病気です。
白癬菌に触れただけではすぐにみずむしに感染するわけではありません。
白癬菌が角質層の中に侵入するまでに24時間以上かかります。
白癬菌が角質層に入った場合、高温多湿(気温15以上、湿度70%以上)という環境になった時に増殖を始めます。
なので、みずむしは梅雨から夏にかけて猛威を振るうことになります。暦では9月ですが気候はまだまだ真夏が続きそうです。

媒介と予防

 

最近は住環境の変化や革靴やブーツ、ストキングなどによるむれによって、男女問わず1年中、水虫に悩む人が増えています。
日本人の5人に1人、女性の3人に1人、60歳以上の2人に1人が水虫だと言われています。

角質層に入った白癬菌は角質層にあるケラチンというタンパク質の一種を栄養源にして増殖します。
白癬菌がすみついた角質層は新陳代謝により剥がれ落ち、バスマットやスリッパ、畳から感染が広がっていきます。銭湯や温泉などの公共の施設だけでなく、家族に水虫の人がいる場合も注意が必要です。
白癬菌は手や身体にも感染しますが、9割近くは足への感染となりますので、特に足への感染を予防することが重要となります。
白癬菌が皮膚に付着してから角質層に入るまでに、24時間以上かかることから、先ずは白癬菌を洗い流すことが大切になります。
スポーツジムや銭湯でシャワーや入浴をしていても、脱衣所で白癬菌が付着する可能性が十分にありますので、毎日家でも入浴することを心がけましょう。その際に、足の指と指の間もしっかり開いて石鹸で優しく、丁寧に洗うのがポイントです。ナイロンタオルや軽石でゴシゴシ洗ってしまうと、角質に傷がついて白癬菌の、侵入を助けてしまう可能性があります。
白癬菌は高温多湿にて増殖しますので、入浴後は足の裏、指と指の間をタオルでしっかり拭き乾燥させてください。スリッパやサンダルの共用を避け、床、畳の清掃、バスマットの洗濯をこまめに行うことをおススメします。
水虫はかゆみを伴う症状と思われがちですが、実は自覚症状のない水虫も多く、知らず知らずのうちに感染していることもあります。
9割が足にできることから足にできる水虫の種類を見ていきましょう。
足にできる水虫には趾間(しかん)型、小水疱(しょうすいほう)型、角質増殖型の3種類と爪にできる爪白癬があります。

種類とタイプ:足

 

趾間型
足の指の間に発症するタイプでみずむしのなかで最も多く見られます。特に薬指と小指の間にできることが多く、白くふやけて皮がめくれて赤くジュクジュクただれます。かゆみを強く感じるのがこのタイプです。

 

小水疱型
足の裏の土踏まずあたりや足のふち、指の付け根にかけて小さな水ぶくれが発生し、破れた後に乾燥してポロポロ皮がむけます。梅雨の時期に発症しやすく、秋によくなるケースが多く見られます。水ぶくれが破れたとき強いかゆみを伴います。

 

角質増殖型
かかとを中心として足の裏全体の皮膚が厚くなり、ザラザラと乾燥してひび割れると痛みを生じます。かゆみはほとんどありませんが、冬でも症状が続きます。

 

爪白癬
みずむしを長年放置していると爪に白癬菌が侵入し、爪が黄白色に変色し、先端が厚くなり、ボロボロと崩れたり変形することもあります。かゆみがないため、みずむしと気づかずに治療が遅れることが多く、寝たきりの方や老人の方に多いです。

足以外の水虫

 

手白癬
手にできるみずむしで、足のみずむしと類似の症状がでます。

 

ぜにたむし(体部白癬)
顔面・首をはじめ、からだのいたるところに感染します。米粒大の紅色の丘疹ができ、次第に周囲に円状に広がり、炎症やかゆみを伴います。犬や猫など動物からうつることもあるので、ペットがみずむしにかかっている場合は治療が必要です。

 

いんきんたむし
10代後半から20代の男性によくでき、多くは太ももの内側にできます。感染部位の周囲が堤防状に隆起し、皮膚面からもり上がりのない赤色の斑点が現れます。かゆみが強く、下腹部、臀部などへ広がることもあります。

 

しらくも(頭部白癬)
頭部に円形や楕円形の脱毛巣を作ります。子供に多くみられるもので、犬・猫などのペットからの感染が増えています。

 

トリコフィトン・トンズランス感染症
格闘技選手を中心に感染の多い皮膚真菌症です。首や上半身に小豆粒~爪の大きさほどの赤い腫れが見られたり、頭にフケやかさぶた、膿みができたりします。

よく似た症状の皮膚炎

みずむしとよく似た症状を示す皮膚疾患もありますので、しばらく薬を使っても良くならないときは皮膚科を受診してください。

 

接触性皮膚炎
床の染料やじゅうたん、靴下、靴の革の染料、接着剤などに触れることで起こる皮膚炎。

 

汗疱性湿疹
汗が原因の湿疹。

 

皮膚カンジダ症
同じカビでも白癬ではなくカンジダという菌に感染しておきる皮膚疾患。

兎にも角にも白癬菌を洗い流すことが感染予防となりますので、毎日お風呂で足を洗うことをおススメ致します。



ひばり薬局では、患者様のご意見などを医師へフィードバックすることがあります。
皆さまの症状や経過などお聞かせください。コミニュケーションさせていただくことで親身に健康のお手伝いをさせていただきます。