聞き馴染みないウイルスの流行
- 2023年08月24日
ひばりグループのホームページをご覧いただきありがとうございます。
・ヘルパンギーナ
・RSウイルス
急増し少し落ち着いてきましたか…?
いずれも聞き馴染みないですよね?
■ヘルパンギーナ
厚生労働省の資料によると2023年6月時点で、ヘルパンギーナの定点当たり患者報告数は、全国で6.09人となり、過去3年の流行ピークを超えています。
※定点当たり患者報告数とは、対象となる感染症について、厚労省が定めた全ての定点医療機関からの報告数を定点数で割った値のことで、言いかえると1医療機関当たりの平均報告数のことです。
ヘルパンギーナは、エンテロウイルスの感染によって引き起こされる感染症で、夏に流行する傾向があります。エンテロウイルスの感染経路は接触感染と飛沫感染で、鼻や口から体内に侵入した後、腸管で増殖します。その増殖したウイルスが他の組織に移行すると、次のような症状が出ます。
主症状は、発熱と口内炎です。口内炎は、舌や喉、頬の粘膜に小さな水ぶくれが出現します。また、頭痛、倦怠感などの症状を伴うこともあります。ヘルパンギーナは、一般的に軽症で済みますが、まれに脳炎や無菌性髄膜炎などの重篤な合併症を引き起こすこともあります。
■RSウイルス
RSウイルスは、呼吸器融合ウイルスの一種で、呼吸器感染症の原因となるウイルスです。主に乳幼児に感染し、細気管支炎や肺炎などの重症化を引き起こすことがあります。
RSウイルスの感染経路は、飛沫感染です。感染した人の咳やくしゃみによる飛沫を吸い込むことで感染します。また、感染した人の手で触れた物に触れた手で自分の口や鼻を触ることでも感染することがあります。
RSウイルスの症状は、発熱、咳、鼻水、せき、呼吸困難などです。軽症の場合は、数日で治りますが、重症化すると入院が必要になることもあります。
RSウイルスには、特効薬はありません。治療は、対症療法が中心となります。発熱や咳などの症状に対して、解熱剤や鎮咳剤などの薬を服用します。また、呼吸困難がひどい場合は、酸素吸入や気管支拡張剤などの治療が必要になることもあります。
前述のエンテロウイルスとアデノ(扁桃腺)ウイルスです。
エンテロウイルスは、腸管に感染するウイルスの総称です。手足口病やヘルパンギーナなどの原因となります。エンテロウイルスは、夏に湿度が高くなることで感染力が高まります。
アデノウイルスは、呼吸器や消化器などに感染するウイルスの総称です。咽頭結膜熱や流行性角結膜炎などの原因となります。アデノウイルスは、夏に冷房の使用が増えることで感染が広がりやすくなります。
今年流行している疾病は、ヘルパンギーナと手足口病です。ヘルパンギーナについては、前述の通りで。
手足口病は、手足や口に水疱や発疹が出現する病気です。水疱は、小さな赤い発疹から始まり、中心部が白く変色します。手足口病は、多くの場合軽症で済みますが、まれに重症化することもあります。
ちなみに、よく聞く俗称プール熱は咽頭結膜熱を指し、「アデノウイルス」が原因で、プールの水を媒介として感染します。
年間を通して発生しますが、主に6月末頃から夏季にかけて流行します。
RSウイルスは、日本では冬風邪に多い、とされてきましたが、今年は晩春から初夏にかけて大流行し現在も例年に比べ高く推移しています。
では、なぜ時季はずれとも言える流行が起きなのでしょうか。
RSウイルスは、冬に流行するイメージがありますが、近年では、夏に流行する傾向にあります。
新型コロナウイルスが第5類になり収束となり、マスクを外した屋外行動と人流が活発となったことに起因しているようです。
考えられる主な流行の原因は3つ。
●新型コロナウイルス感染症の流行により、人々の免疫力が低下した
新型コロナウイルス感染症の流行により、人々の免疫力が低下したと考えられます。マスクの着用や手洗いなどの感染対策が徹底されたことで、RSウイルス以外の感染症の流行が抑制されました。しかし、その一方で、人々の免疫力は低下したと考えられます。そのため、RSウイルスへの感染リスクが高まったと考えられます。
●海外からの渡航者数の増加
海外渡航者数の増加が挙げられます。近年、日本への海外からの渡航者数は増加傾向にあります。海外では、RSウイルスの流行時期が異なるため、日本に渡航してきた感染者が、RSウイルスを持ち込むことで、流行が拡大する可能性があります。
●冷房の使用により、ウイルスの感染力が高まった
特に今年は梅雨時期の6月から猛暑日が観測されたため冷房の使用が早く活発でした、それによりウイルスの耐性と感染力が高まったと考えられます。冷房の使用により、室内の湿度が低下すると、ウイルスの表面積が露出し、感染力が高まると考えられます。また、冷房の使用により、換気が不十分になり、ウイルスが空気中に漂う時間が長くなるため、感染リスクが高まると考えられます。
対策はコロナ禍とほぼ同じ
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- 手洗い、うがいをこまめに行う
- マスクを着用する
- 人混みを避ける
- 冷房使用を気にする(温度設定、換気)
- 十分な睡眠と栄養をとる
また、食事(食材)で効果が得られるものとしては、以下のようなものが挙げられます。
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- ビタミンC:レモン、オレンジ、ブロッコリー、キウイ、イチゴなど
- ビタミンD:魚介類、卵、きのこ類、乳製品など
- 葉酸:レバー、ほうれん草、ブロッコリー、枝豆など
- 亜鉛:牡蠣、カキ、イワシ、豚肉など
- 鉄分:レバー、ほうれん草、ひじき、大豆製品など
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