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年齢と早寝早起きとメラトニン

  • 2024年02月08日

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今年は、例年に比べ朝布団から出やすい気がしています。早くに目が覚めることも増えてきましたし、入眠時間(落ちるまで)も早いです。若いときは、悩んでみたり昂ぶったりと寝付けない日もありました。
赤ちゃんはずーっと寝ててイイなぁ、と思いつつ早寝早起きした日の一日が長くて得した気分になったり。

 

なぜ赤ちゃんは寝てられる?

脳や生理学的な要因と環境への適応能力が組み合わさり、赤ちゃんは、ずっと寝てられるのです。

●睡眠サイクル
赤ちゃんは成人と比較して睡眠サイクルが短く、浅い眠りが長時間続きます。これにより、赤ちゃんは比較的早く眠りにつき、サイクルを繰り返すことができます。また、浅い眠りが多いため、覚醒しやすいのも特徴です。
●生物学的リズム
生まれたばかりで、まだ体内時計が確立されていません。しかし、生物学的リズムは母親との相互作用や日光などの外部の刺激によって徐々に整っていきます。
●栄養と成長
成長段階で成長ホルモンが分泌されるため、十分な睡眠が必要です。また、授乳やミルク摂取がおこなわれることで栄養が供給され、満腹感も睡眠が促進されます。
●安心感と温かさ
赤ちゃんは母親や保護者との触れ合い、抱っこ、おむつ替え、授乳などを通じて安心感を得ます。これらは赤ちゃんの心地よい状態を促し、安定感が得られ眠りやすくなります。
●環境との調和
赤ちゃんは静かで暗い環境を好む傾向があります。環境が快適で安心感のあるものであれば、眠りに入りやすくなります。

赤ちゃんそれぞれ違いはあるものの、環境や条件下で成長するに連れて体内時計が整ってくるのです。親が翻弄されるほど、幼児や園児は規則正しい生活リズムですね。

一方で、高齢になると早寝早起きになる、というイメージはないですか?

高齢になると早寝早起きになる原理は、人間の体内時計、光、メラトニン、セロトニン、そして日光が密接に関係しています。これらの要素は、体内時計や睡眠リズムを制御する生理学的なプロセスに影響を与えます。特にメラトニンは[睡眠ホルモン]と呼ばれることがあります。

加齢で早寝早起きになった?

一般的に高齢になると、入眠時間が早くなる傾向があります。これはいくつかの理由によるものです。

体内時計の変化
高齢になると、体内時計や生体リズムが変化することがあります。光の感受性が低下し、夜間にメラトニン(睡眠を促進するホルモン)の分泌が早くなることが報告されています。これにより、夜に眠りやすくなり、入眠が早くなることがあります。
睡眠パターンの変化
高齢者は深い睡眠の割合が減少し、浅い眠りが増える傾向があります。このため、早い段階で眠りに入りやすくなります。また、夜間に頻繁に目が覚めることも一般的です。
ホルモンの変化
高齢になると、セロトニンやメラトニンなどのホルモンの分泌量やリズムが変化します。これが入眠に影響を与え、早い時間に眠りにつく傾向があります。
日中の活動量の減少
高齢者の中には日中の活動量が減少することがあります。運動不足や日中の活動不足が、夜間に疲れを感じやすくし、入眠を早める一因となります。

メラトニン

メラトニンは睡眠の誘発や維持に関与するホルモンであり、寝ると消費されるわけではありません。むしろ、メラトニンは睡眠の準備段階で分泌が促進され、寝る前にピークに達します。メラトニンの分泌が増加することで、体内時計が夜間の睡眠をサポートし、覚醒のサイクルを調整します。

メラトニンの分泌は主に夜間に活発に行われ、光の減少が刺激となります。視神経が夜になると受ける光の量が減ると、松果体(脳内の小さな器官)がメラトニンの分泌を開始します。このメカニズムは、体が夜間に眠りの準備を整えるための自然なプロセスです。

一般的に、メラトニンは夜間にピークに達し、朝になると光の影響で分泌が抑制されます。これにより、覚醒と活動が促進され、規則正しいサイクルを保つのに役立ちます。メラトニンが寝ると消費されるわけではなく、むしろ睡眠のために適切な量が分泌され、寝る前の睡眠サイクルに調整をかける役割を果たしています。

■光と体内時計
まず、体内時計は体内の生体リズムを調整する役割を果たします。これは主に視交叉上核(SCN)と呼ばれる脳内の特定の領域によって調節されています。体内時計は光のサイクルに敏感であり、外部の光環境が重要な要素です。特に、朝の日光は体内時計に強い影響を与え、規則正しいサイクルを維持するのに役立ちます。
■セロトニン
セロトニンはメラトニンの前駆体であり、これも重要な役割を果たします。セロトニンは日中に増加し、リラックスした状態を促進します。また、セロトニンは日光によって促進され、日中の活動や覚醒をサポートします。日光には、体内時計やセロトニンのリズムを調整し、健康的な睡眠リズムを維持する助けとなる効果があります。

このように、高齢になると早寝早起きになる原理は、体内時計、メラトニン、セロトニン、そして日光の複雑な相互作用によって制御されています。これらの要素が適切に調和することで、健康な睡眠パターンが維持され、生活の質が向上します。

【視交叉上核(しこうさじょうかく)略称:SCN=SupraChiasmatic Nucleus】
脳の視床下部にある非常に小さい領域で、哺乳類の概日リズムを統率する時計中枢としての役割を担っている。視交叉の真上に位置しており、約20000個の神経細胞によって、睡眠、覚醒、血圧、体温、ホルモン分泌など様々な生理機能の約24時間のリズムが作り出されている。
参照:Wikipedia

ちなみに、
メラトニンは主に肝臓で代謝されます。
肝臓に存在する特定の酵素によって代謝され、不活性な代謝物に変化します。この代謝でメラトニンの効果が減少し、体内で長期間留まらないのです。代謝物は尿で排泄され、当たらなメラトニンは必要に応じて生成されます。肝臓から便への経路もあります。
メラトニンは比較的速やかに代謝・分解され、その効果が持続的に続くことはありません、人は寝溜めできないという一因でもありますね。この代謝プロセスにより、体内でのメラトニンの調節が可能となり、昼夜のリズムや睡眠サイクルが適切に制御されます。

人は人生の1/3寝ているといいます、世代ごとに医師が推奨する時間が異なりますが。多少少なくても質を向上させることで、リカバリーできるのでしょうか。
また、睡眠にはレム・ノンレムという深い浅いがありますね、それはまたの機会に。

最後までお読みいただきありがとうございます。



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